燃油サーチャージ

燃油サーチャージとは サーチャージの意味や目的、見通しを解説

燃油サーチャージとは サーチャージの意味

燃油サーチャージとは

燃油サーチャージとは

燃油サーチャージとは、運送業者や航空会社が燃料価格の変動に対応するため、軽油の基準価格を燃料価格が上回る場合に顧客に追加料金を求める制度です。
燃油サーチャージは、英語でfuel surchargeです。fuelは燃料を意味し、surchargeは割増料金や追加徴収という意味です。フューエルサーチャージ(fjúːəl sə́ːrtʃɑ̀ːrdʒ)と発音します。
燃油サーチャージの背景には、原油価格の高騰や円安により、軽油価格が上昇し、トラック運送事業者航空事業者の経営を圧迫しているという状況があります。
燃油サーチャージを最初に導入したのは、海運業者です。1973年(昭和48年)に第一次オイルショックが発生し、中東地域を中心に原油原産国の状況が急変。原油価格が一気に上昇しました。燃料高騰に対応するために、追加費用を徴収する燃油サーチャージが海上輸送時に上乗せされることになりました。

燃料価格が高騰している理由

原油価格の高騰

燃料価格が高騰している背景には、原油国の情勢や国内の円安など複合的要因があります。
もともと日本はエネルギー自給率が低く、原油などのエネルギーをロシアや中東のサウジアラビアから輸入していました。そのため世界情勢の変化によって、原油の流通が不安定になりやすいという問題点があります。
さらに円安によって輸入コストが上昇することにより、輸入品である燃料の価格に、コスト上昇分が転化され、燃料価格が上昇することは避けられません。

トラック運送業と燃油サーチャージ 諸外国の対応と規制

トラック運送業の現状

トラック運送業と燃油サーチャージ

トラック運送業は、日本の物流を支える重要な存在です。海運業や航空、倉庫、鉄道など国内の全物流市場規模は約29兆円であり、その約7割を占めているのがトラック運送業です。つまり、トラック運送業の経営が逼迫することは、直接的に国内物流の約7割に影響を及ぼすといえるのです。トラック事業者の約9割は中小企業であり、燃料価格の高騰、低賃金や長時間労働の蔓延による人手不足など様々な問題に直面しています。
トラック運送業を営む事業者は、燃料価格による赤字回避のために、運賃引き上げや燃料サーチャージの導入を余儀なくされています。

トラック運送業と燃油サーチャージ

トラック運送業に燃油サーチャージが導入されたのは、2001年です。しかし現状なかなか燃油サーチャージが普及しないという問題点があります。燃料価格が高騰する中、従前と同じ価格設定で運賃を徴収し物を運んでいると、当然運送事業者側が赤字になります。
事業が赤字になった場合、その他のコストを圧縮するか、運賃を値上げするしかありません。しかし、トラック運送業は競争が激しく、トラック運送業者は、荷主の要望に応えるため低い価格で提供せざるを得ない状況です。トラック運送業の状況を改善するためには、荷主側の理解と協力が不可欠だといえます。

トラック運送業と燃油サーチャージ計算方法

①サーチャージ額計算方法 距離制の燃料サーチャージ額

燃料サーチャージ額(円)=
走行距離(㎞)÷燃費(㎞/ℓ)×算出上の燃料価格上昇額(円/ℓ)

②サーチャージ額計算方法
時間制の燃料サーチャージ額

燃料サーチャージ額(円)=
平均走行距離(㎞)÷燃費(㎞/ℓ)×算出上の燃料価格上昇額(円/ℓ)

燃油サーチャージの目的 航空会社や運送会社への影響

燃油サーチャージの目的

燃油サーチャージの目的は、我々の生活や様々な産業を物流という面で支えている運送業者や航空会社が燃料価格の変動に柔軟に対応し、事業の継続を可能にすることです。
以下に燃油サーチャージの目的を5つの項目にわけて解説しました。

①燃料価格の変動に対応するため
燃油サーチャージは、運送業者や航空会社が急激な燃料価格の変動に迅速かつ柔軟に対処する手段として導入されています。
②運送会社の収益を維持するため
燃油価格の上昇により発生する追加の経費をカバーすることで、運送業者は収益を維持し、持続可能な事業モデルを確立します。
③リスクを分散するため
燃料価格は市場変動が大きいため、燃油サーチャージは業者が予測不能なリスクに対処し、事業の安定性を確保する手段として機能します。
④適正な価格設定のため
燃油サーチャージは、運送コストの一部を透明かつ公正に顧客に転嫁することを可能にし、運送サービスの適正な価格設定を促進します。
⑤産業全体の持続可能性を維持するため
燃油サーチャージは、運送業界全体の持続可能性を支え、業者が変動する外部要因に対して適切に対処できるようにします。

以上、燃油サーチャージの目的を5つの視点で解説しました。

燃油サーチャージに関する相互理解の重要性

燃油サーチャージや運賃の値上げ交渉に成功している運送事業者は、荷主企業とのコミュニケーションを重視しています。原価計算の徹底による透明性提示、専門的な知識や資格の取得や積合せサービスの展開による差別化も効果的です。経済走行等の努力やトラック運行にかかる原価計算の結果を明確にすることで、荷主企業との相互理解に役立ち、また自社の課題発見につながるなど様々なメリットがあります。
燃油サーチャージの目的や社会的な背景、業界の現状などを共有することで、荷主企業とトラック運送事業者の間で相互理解が進みコミュニケーションがスムーズになります。

燃油サーチャージへの対応 物流コスト削減方法

運送事業者の現状や原油価格の高騰などを鑑みると荷主企業側にとっても、燃油サーチャージや運賃の値上げに対応していくことは、今後避けられないといえます。輸送費用が上がることで物流コストが上昇することは、荷主企業にとって、またその製品を受け取る調達側の企業にとって、悩ましい部分になるでしょう。
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パレット梱包を半自動化しリードタイムを削減

燃油サーチャージ対応①リードタイムの短縮
  • 燃油サーチャージ対応①リードタイムの短縮
  • 燃油サーチャージ対応①パレット結束
  • 燃油サーチャージ対応①パレット化
商品名 エルゴパック
用途 パレットへのバンド通し、結束、切断まで半自動化
最大梱包サイズ
奥行2.4m(高さ0.7mまで)、または高さ2.3m(奥行0.8mまで)

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